特定秘密保護法案について

  • 2013
    12/08

平成2年から3年にかけて世の中が騒然としたPKO法案。
PKO国会とまで言われましたが、国会周辺では反対する市民団体が押し寄せ、デモを展開。当時は自民党政権下で参議院では過半数割れのねじれ状態。最終的に自民、公明、民社の賛成多数で可決した法案ですが、今では誰も何も言わないですね。逆に自衛隊の海外派遣による平和活動が世界各国に支持され、国内でも自衛隊の皆さんに賞賛の声が寄せられています。

また、平成11年の「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」いわゆる通信傍受法ですが、これも「盗聴法」などと揶揄され、また市民活動家の方々は国会を取り囲みました。
「私達の生活がすべて盗聴される」などと言われましたが、この法が定める通信傍受による捜査が許容される犯罪(対象犯罪)は、通信傍受が必要不可欠な組織犯罪に限定されます。具体的には、薬物関連犯罪、銃器関連犯罪、集団密航、及び、組織的に行なわれた殺人の捜査についてのみ、通信傍受が許されました。
あれだけ騒いでいた方々も、なにも言うことなく、また一つの苦情や事故もなく適切に運用されております。

さて、今回の特定秘密法案。民主党政権下ではスピーディの情報も尖閣諸島での中国船が海上保安庁の船に衝突するあのビデオも秘密にされました。例えば、潜水艦の乗務員は今でも、行き先を家族に言うことはできません。守秘義務があるからです。守秘義務と、公開すべきかすべきでないか判断のつかないままに秘密にされたり、暴露する公務員がいてそのペナルティが曖昧であったりすると余計国益に反してしまいかねません。当然、国家の情報は国民のものであり、原則公開されるべきだ、という意見に私は賛成です。憲法で保障された「国民の知る権利」は尊重されるべきです。ただし、公開することで国益が損なわれ、結果として国防やテロという重大事案について重大な影響を及ぼしかねない情報については、それを特定し、一定期間秘密にする必要はあると考えます。

今回の法案を「現代の治安維持法」などと呼ぶ批判があります。しかし、なにの根拠もありません。この法律の目的は、治安維持ではなく、国民の安全や国益を守るための情報が漏えいしないようにすることです。そもそも、守るべき情報が国家にある、という点については、与野党で共通の認識を持っています。加えて言えば、現憲法下において治安維持法の存在は許されません。

某政党のビラに「米軍基地上空で飛んでいるオスプレイを写メしてウェブ載せたら逮捕」なんて書かれたものが配布されていたと、参議院の委員会審議で紹介されていました。ちがうものには「海で記念撮影したら新造船の軍艦が写り込んでしまい、お前は何をしているのだと逮捕・・・」ともありましたが、責任ある政党としてどうかと思います。
当然、賛否両論あるかとは思いますが、私も私なりに勉強して得た結論です。

ところで、次のアドレス。
http://www.youtube.com/watch?v=SgIgxusvQnU&feature=share

与党を経験された党も、経験していない党も、聞かれればこう答えるのですね。
衆議院で44時間以上、参議院でも20時間以上丁寧に審議されたにも関わらず、一方的な数の横暴で強行採決だ!との避難もあるところですが、本当にそうなのでしょうか。
衆議院での採決は、「強行」ではありません。なぜなら、野党であるみんなの党からも賛成を得ており、日本維新の会も採決を退席したものの、可決された修正案の共同提案者に名を連ねています。与党だけで一方的に可決したわけではないのです。これを「数の横暴」と呼ぶ人がいますが、まったく的外れです。

参議院については、国会中継を見ていても同じような感情的な質問だけになってしまい、これ以上の「さすがと唸る」ような質問はもはや皆無でした。議事録を見れば、野党議員が同じ質問を繰り返していることが一目瞭然です。

最悪、我々国民には参政権というものがあります。
納得がいかねば、政権交代させてしまう手段もあるわけです。
政権が交代して、反対の考えの方々がおっしゃる「かの悪法」を廃案にしてしまえばよいわけですが、次の国政選挙はどのような結果になることでしょう。

強硬に反対されていた方々も、当時は必要とお考えのようですから、なくならないかもしれませんね。

話は大きく変わって、北海道議会においても秘密保護法めぐる意見書案で空転がありました。
道議会民主党・道民連合が提出する、特定秘密保護法案の廃案を求める意見書案の扱いをめぐり、断続的に空転してしまいました。
そこに在籍される会派の複数の議員は、「自民・公明が審議拒否のために議会がストップしている」旨の書き込みが複数なされていることを確認いたしましたが、道新においては『自民党は「国民が注目する法案を使った民主党のパフォーマンス」(幹部)と批判』(12/04付)と『あの道新さん(笑)」が自民党に正義があるような書き方をしておりますし、なによりも同会派の最高責任者が我が会派(おそらくすべての会派の部屋を回られたことと思います)に「(議会を空転させ)ご迷惑をかけて申し訳ない」とお詫びに来ることは一体なにを表しているのか推して知るべしでしょう。

読売新聞の記事より
(12/6)の 読売新聞囲み記事『民主主義、誰が「破壊」?』です。冷静な見解です。
(以下、転載)
 特定秘密保護法案を巡る国会の混乱について、憲法と民主主義の観点から考えてみたい。
 国家の安全保障に必要な機密保全の必要性と国民の「知る権利」の両立をどう図るか、この法案が難しい問題を抱えているのは確かだ。法案に懸念を抱く人が少なからずいることも十分理解する。しかし、行政府が法案を提出し、立法府の審議を経て可否を採決して、衆参両院の過半数の賛成で成立することは、日本国憲法の定めているところだ。
 過半数の賛成で法律は通るのだから、自民・公明両党は政府案のまま成立させることもできたが、みんなの党・日本維新の会の修正要求に応じて法案を手直しし、「知る権利」への配慮が増すことになった。憲法の定める三権分立も機能していると言える。自公・維新・みんなの4党の国会議員数は衆院(定数480)が394人、参院(定数242)が161人に上る。審議の進め方を巡る対立で採決の対応は割れたものの、法案の中身そのものには、4党を合わせれば、両院とも約3分の2の「国民の代表者」たちが賛成していることになる。民主党などの法案への反対の意思は、国会外で国民にアピールすることもできる。その主張に共感が得られれば、選挙を通じて政権が交代する。それが、憲法で間接民主制を採用する、我が国における民主主義のルールである。にもかかわらず、この法案について「民主主義の破壊」などと批判を浴びせる人たちがいる。立場の違いがあるとしても「国民の代表者」たちの多数の声を無視して、3分の1以下の少数者の言う通りにせよ、というのは「憲法の規定を無視せよ」というに等しい最後は採決で決めるのは民主主義のルールだ。それまでだめだというのは、少数者の横暴でしかない。
 特定秘密保護法案を巡る国会の混乱は、国会改革の必要性を改めて浮き彫りにすることにもなった。
 国会審議の迅速化のため参院は押しボタン方式を採用した。ところが、野党第一党の民主党は、全会一致の採決まで、わざわざ時間のかかる記名採決に変えることを要求した。審議引き延ばし戦術以外の何物でもない。
野党がこうした不毛な戦術に出るのは、会期末までに成立させられなかった法案や条約は廃案となる「会期不継続の原則」があるためだ。国会が法案の中身の議論よりも日程闘争に陥りがちになるのも、この原則のせいであり、「国会改革を阻む元凶」といわれるゆえんである。
 その元凶を最大限利用して法案の採決を妨害する民主党自身、「日程で追い込まれて議員同士の熟議ができない。会期不継続の原則の見直しも提起していくことが必要だ」(今年5月の参院憲法審査会での民主党議員の発言)と主張していたではないか。
この国会の混乱ぶりを各党とも猛省し、「議論する国会」への出直しを図る機会につなげるべきだ。